千歳駅から科技大へ21分。直行バスはなく、10分以上遅れることも
千歳駅から大学まで、バスで21分。時刻表の上では、そうなっています。でも、朝のバスに乗ると、そのとおりに着かないことがあります。運行している方を責めたい記事ではありません。いまの路線のしくみを、通学する側から見て、整理してみます。
千歳駅から大学へ、何分かかるのか
- 直17(千歳駅 ⇔ 大学 ⇔ ラピダス): 約21分
- 空17・空18(千歳駅 ⇔ 新千歳空港 ⇔ 大学 ⇔ ラピダス): 約25分
大学の公式ページには、JR千歳駅から大学まで、約21分と書かれています。これは、直17の場合で、空港を回る空17・空18は、約25分かかります。しかも、渋滞が慢性化していることと、乗り降りに時間がかかることから、10分以上遅れることもあります。1限の前に、この遅れが出ると、授業に間に合うかどうかが、バスの運に左右されます。
運賃は、JR千歳駅から大学まで340円です。本学の学生は、降りるときに、整理券と学生証を見せると、無料になります(大学の公式ページ)。
3月までのシャトルバスは
2026年3月までは、大学の無料シャトルバスが、千歳駅と南千歳駅から、大学へ行っていました。大学のサイトに残っている、令和7年度の時刻表(2025年11月3日〜7日の分)を見ると、次のようなダイヤでした。
- 往路は、千歳駅・南千歳駅から大学へ、1日28本。朝は7:48から、夕方は18:00まで。復路は、大学から千歳駅へ、1日30本。10:45から22:14まで。
- 千歳駅から本部棟まで、南千歳駅を通る便は約21分(千歳駅→南千歳駅が約10分、南千歳駅→研究実験棟が約8分、研究実験棟→本部棟が約3分)。南千歳駅をスキップして、約18分で着く便もありました(朝7:48発、9:37発)。
- 授業の前後には、南千歳駅から大学だけを走る便もありました。
- 土・日・授業のない祝日と、大学が閉まっている期間は、運行しませんでした。
いまの路線バスの時刻と、大きくは変わらない時間でした。ただ、シャトルバスは、大学の学生と関係者のための運行で、路線バスのように、市街地のバス停には止まりませんでした。
路線バスになって、よくなったこと
路線バスの美々空港線になって、便利になったことは、はっきりあります。新千歳空港から大学へ、市街地から大学へ、バスで行けるようになりました。土日にも、バスで大学へ行けるようになりました。シャトルバスの時代には、できなかったことです。これは、大きな進歩だと思います。
それでも、直行の便はありません
その一方で、千歳駅から大学へ行くバスは、市街地のバス停にいくつも止まりながら走ります。途中に止まらない直行の便は、ありません。南17は、南千歳駅北口から大学へ行く系統ですが、千歳駅から乗る人には、使えません。
- 南17: 南千歳駅北口 ⇔ 大学 ⇔ ラピダス
- 直17: 千歳駅 ⇔ 大学 ⇔ ラピダス(オフィシャルアルカディア入口を経由)
- 空17: 千歳駅 ⇔ 新千歳空港 ⇔ 大学 ⇔ ラピダス
- 空18: 長都駅東口 ⇔ 千歳駅 ⇔ 新千歳空港 ⇔ 大学 ⇔ ラピダス
運転手の側は、どう思っているのか
バスを運転している人の中にも、同じように思っている人は、いるのではないでしょうか。細かく止まって遠回りをするより、できれば、まっすぐ走りたい。混んだ車内で、乗れない人への対応に追われるのも、つらい。そう感じる運転手さんが、一部にいても、不思議ではありません。これは、私の想像で、運転手さん全員の声ではありません。
考察: これは、誰のための「増便」なのか
市街地のバス停にも止まりながら走ることで、便利になった人は、たしかにいます。でも、その分、千歳駅と大学の間を、毎日往復する学生は、時間を取られています。これは、まさに「角を矯めて牛を殺す」です。一部の便利のために、いちばん多く乗る人の時間を、使ってしまっていないでしょうか。
学生にとっても、運転手にとっても、バスは、止まるたびに時間がかかり、遅れやすくなります。便が増えても、遅れて、混んで、乗りにくければ、「便利になった」とは言いにくい。これは、まさに「部分最適・全体不適」です。
人口が減り、バスの利用者も減って、減便が続く地域が多い中で、千歳は、便が増えました。それは、すばらしいことです。ただ、「便数が増えた」ことと、「乗る人が便利になった」ことは、同じではありません。バスの目的は、便数を増やすことではなく、人を運ぶことのはずです。
ダイヤの変更は、簡単ではありません
バスの運行は、道路運送法という法律で決まっていて、国(運輸局)への手続きが必要です。国土交通省の北陸信越運輸局が公開している資料「道路運送法等関係法令の基礎知識について」から、一般の乗合バスの場合の、主な手続きを並べます。
- 路線の新設: 認可が必要。標準の処理期間は3か月(地域の協議が済んでいる場合は1か月)(道路運送法第15条)
- 運行系統の新設(ルートの変更など): 30日前までの事前届出(第15条の3)
- 運行回数の変更: 運輸局長が指定する範囲内は事後届出、範囲外は30日前までの事前届出
- 運行時刻の変更(回数が変わらない場合): 事後届出
- 停留所の新設・廃止・位置や名称の変更(運賃が変わらない場合): 事後届出
- バスの台数を変える場合: 事業用自動車の数の変更は、7日前までの事前届出
途中に止まらない直行の便をつくるには、ふつうは、新しい運行系統になるので、30日前までの届出が必要になると読めます。ただ、これは、一般の乗合バス事業者の場合で、貸切バスの事業者が乗合の運行をする場合の手続きは、別に決まっています。
このほか、同じ資料には、手続きの前に、地域公共交通会議などでの協議が必要になることがある、と書かれています。協議では、バス停の設置について、公安委員会や道路管理者との調整や、運転手の勤務時間と乗務時間の基準を守れるかを、説明するとされています。思い立って、すぐに変えられるものではないことが、わかります。だからこそ、通学する側が、どこで困っているのかを、具体的に、言葉にしておく必要があると思います。
千歳駅から大学へ、途中に止まらずに行けるバスは、あなたにとって、必要ですか。